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2012年5月7日月曜日

孫子 多兵非益

兵は多ければ良いというものではない。

むやみに進軍することなく、一致団結して、敵情を良く観察すれば、勝利できる。

思慮なく、敵を侮るものは、必ず敵に捕らえられてしまうであろう。

兵士たちがまだ軍を信用していないのに、兵士たちを罰すれば、軍に従わなくなるであろう。

軍に従わなければ、兵士を思うように使えないであろう。

逆に兵士たちが軍を信用しているの時に、悪いことをしても罰しなければ、統率がとれず、兵士を使いこなせないであろう。

兵士に軍則を教えるのに、教育をしっかり行い、兵士を律するのに武力を用いる。

こうすれば、兵士は軍律に従い、思うように動かせる。

命令は、普段から周知徹底し、その内容を兵士に教育して初めて兵士は屈服する。

日頃から命令を周知徹底していなければ、兵士は屈服しない。

常日頃から命令を周知徹底しているものは、兵士の信頼を得るのである。

孫子では戦争において勝利の条件として、兵士の数は必須ではないといっています。

兵の数よりも、兵士の心を掌握し一つにすることが、重要であると言っています。

そして、兵士の統率を取るためには、常日頃から軍の規律を教育し、規律を守るようにさせなければなりません。

こうして、信賞必罰の体制を作り上げれば、兵士たちの信頼を得ることが出来、心を一つにすることが出来るのです。

これは、ビジネスやスポーツでもいえることで、一つの目標を達成するのに、ただ数が多ければ良いということは決してありません。

数よりも、ひとりひとりの心を同じ方向に向かわせることが勝利、成功への近道なのです。

戦争や仕事も最終的には人が行うものです。

どんなに優れた戦略や武器(機械)を持っていても、それを遂行する人が言うことを聞かなければ作戦を成功裏に遂行することはできません。

リーダーは、このことを常に頭において、自分を律する必要があります。

部下は上司の姿をみて、上司についていくかどうかを判断するからです。

自分に甘く、他人に厳しい上司についていく部下はいません。

自分い厳しく、他人に優しい上司に部下はついていくのです。

リーダーは常に自分の振る舞いを客観的に見る能力が要求されます。

2012年4月27日金曜日

孫子 賞罰

度々褒賞するのは、苦しんでいるからである。

度々罰するのは、困っているからである。

自分の怒りを部下にぶつけて叱り飛ばし、その後に部下たちからの恨みを恐れるのは、上官がしっかりしていないからである。

敵軍の使者が贈り物をしたり、謝罪するのは、休息が欲しいからである。

敵兵がいきり立って攻めてきながら、実際には対戦せず、また退却しないのは、何らかの策略があってのことなので、警戒して良く観察せよ。

敵軍がやたらと褒賞したり、罰を下すのは、敵軍が手詰まりしている証であるといっています。

褒賞は本当に功績のあった人だけが受けられるようでないと価値がありません。

誰でももらえるものであれば、その賞をもらうために努力する人はいないでしょう。

罰も同様で、本当に悪いことをした時だけ罰せられないと、兵士の士気は下がる一方です。

しかし、上層部は自分たちの戦略が手詰まりとなり、為す術が無くなってくると部下に責任を押し付けたくなります。

このため、部下は上層部を信用せず、軍隊は崩壊していくことになります。

ここでは、リーダーの在り方も述べられていると思います。

苦しい時に打開策を見つけ出すのがリーダーの責任で、部下に責任を押し付けるようなリーダーの下では命を張って頑張る部下はいないということです。 

肝に銘じておきたいと思います。

2012年4月25日水曜日

孫子 敵情観察

敵兵が杖を突いて立っているのは、飢えているからである。

水を汲んで真っ先に飲むのは水が枯渇しているからである。

有利であるのに進軍しないのは、疲労しているからである。

鳥が集まっているのは、陣営が空虚となっているからである。

夜に声を出して呼び合うのは、恐怖心からである。

軍規が乱れるのは、将軍の威厳がないからである。

軍旗が揺らぐのは、統率が乱れているからである。

上官が起こるのは、倦んでいるからである。

馬を殺して食べるのは、兵糧が尽きたからである。

敵軍が、鍋をかけることなく、宿舎に帰らないのは、切羽詰まっているからである。

小さな声で語り合っているのは、兵隊の信望を失っているからである。

ここに書いてあることは、必ずしも当たっているとは限りませんが、各状況における敵兵の状態を例示することで、実践において非常に有効であると思います。

このように、戦場でのことを一つ一つ例示してあると、具体的イメージがわき、実際の戦争の際にとっさに行動が出来るのだと思います。

また、孫子では臨機応変も重要視されていることから、実際の戦場で、上記と異なる状況に陥ったとしても、対応が可能になるよう訓練されています。

ビジネスにおいても、ケーススタディは有効な訓練方法であると思います。

実施に行動に起こす前に、あらゆる状況を想定して、想定問答集のように準備していれば、ほとんどのことには対応できるようになると思います。

2012年4月23日月曜日

孫子 辞卑強進退

戦争中に、敵軍の使いがやってきて、謙って話し、攻めて来ないようにさせているのは、進軍し攻めようとしているからである。

敵軍の使いの言葉が強く、あたかも侵攻しようと見せているのは、退却しようとしているからである。

軽車を前に出し、その側にいるのは陣を張る為である。

突然敵軍が和平を求めてくるのは、謀略があってのことである。

慌ただしく戦車を連ねているのは、決戦を期してのことである。

半進半退するのは、自軍を誘っているのである。

ここでも、敵軍の動きから、敵軍が何を考えているのかを説明しています。

敵軍の使いの言動や戦車や敵兵の動きから、敵軍の戦略を見破る策を与えています。

ここでも根底には人間観察上があります。

敵の心理を予測して、敵の動きがどんな作戦によりなされているかを明確に予想しています。

ビジネスにおいて、学ぶべきは、この人間観察に基づく、相手の心理を読み取ることだと思います。

企業対企業であっても、最終的に判断を下すのは人間なのです。

人として何をすべきかを判断基準にすれば、大きな間違いはしないと思います。

2012年4月20日金曜日

孫子 鳥立つは伏なり

敵が自軍近くまで来ているのに、動きがなく静かなのは、敵が陣取っている地形が険しいからである。

敵がまだ遠くにいるのに、自軍を挑発してくるのは、自軍が攻めてくるのを待っているからである。

敵軍が一見攻め入るのに容易な場所に陣取っているのは、何らかの利があるからである。

樹木が揺れ動くのは敵軍が攻めてきた証である。

草むらに罠が多いのは、自軍の動きを牽制するためである。

鳥が飛び立つのは伏兵がいる証である。

動物たちが驚き逃げ回るのは、敵の覆面部隊が攻めてくる証である。

粉塵が高く細く立ち上がるのは、戦車が攻めてくる証である。

粉塵が低く広く立ち上るのは、歩兵部隊が攻めてくる証である。

煙が方々から上がるのは、敵兵が火を焚いている証である。

煙が少し上がるのは、敵軍が宿営の準備をしている証である。

ここでは、様々な事象から、敵軍がどのような状況になるかを予想しています。

敵の挙動、周囲の動物たちの挙動、さたには粉塵や煙の状態から、現在敵軍はどのような状況になり、どのようなことを考えているかを予想しています。

孫子においては、観察と解析が重要で、様々な要因を観察により掻き集め、得られた情報から十分な解析を加えて戦略を立てています。

ビジネスにおいても、ただ単に思いついたから実行するのではなく、思いついた案について、情報収集を行い、得られた情報から解析して、実行の可否や実行方法を検討すべきです。

孫子の時代は、入手困難な情報を得ることに努力が必要でしたが、現在では情報の入手は比較的容易になりました。

インターネットの普及により膨大な情報を得ることが出来るようになった我々は、情報収集や解析だけでなく、本当に重要な情報であるかどうかを見極める能力も要求されるようになっています。

情報を収集し、見極めて、解析する能力を磨いていきたいと思います。

2012年4月18日水曜日

孫子 吾遠敵近

戦地において、絶澗、天井、天牢、天羅、天陥、天隙があったら、その場から速やかに立ち去り、近づいてはいけない。

自軍は、このような地から遠ざかり、敵軍を近づけるようにさせなさい。

自軍は敵軍をこのような地に追い込むようにさせなさい。

軍の行く手に、険しい場所や溝やくぼみのある場所、葦などの草原、山林、草むらがあれば、必ず入念に探索しなさい。

なぜなら、このような場所には敵の伏兵が潜んでいる可能性が高いからである。

絶澗(ぜっかん):両側が絶壁の谷間

天井(てんせい):深い窪地

天牢(てんろう):袋小路のような場所

天羅(てんら):草木が茂っているような場所

天陥(てんかん):海抜の低い湿地帯

天隙(てんげき):高低差の大きな場所

孫子においては、戦地の地形毎に自軍が有利になる場所、不利になる場所を明確に示しています。

これが大原則になります。

この基本を守りつつ、臨機応変に戦略を立てることを推奨しています。

ビジネスに例えるなら、新製品を発売する前に、あらゆる状況を想定して、対策を打っておくことだと思います。

あらゆる状況を想定しておけば、そのような状況に陥っても、慌てることなく、迅速に対応できます。

さらに、孫子では想定していたことだけでなく、その時、場所に応じて臨機応変に対応することを求めます。

基本に則った上での応用です。

この二つがあるから孫子の兵法は未だに研究されているのだと思います。

リーダーには戦う前の十分な準備とその時々に応じた応用力が求められます。

2012年4月16日月曜日

孫子 高好下悪

戦争において、軍隊を配置する場合、高い場所を選び、低い場所を避け、日当たりの居場所を選び、日当たりの悪い所を避けるべきである。

このような場所を選定すれば、軍の気力は充実し、疫病などが発生する危険性がない。

これを必勝というのである。

丘陵堤防付近で戦う場合は、太陽に向かって、右後ろに丘陵堤防が来るように布陣すべきである。

こうすることにより、自軍にとって有利になり、地の利を生かせることになる。

また、上流で雨が降り、水流の勢いが強ければ、無理に河川を渡ろうとせず、河川の水流が収まるのを待つべきである。

ここでは、敵と対する際の陣のとり方を教えています。

ここで重要なのは、具体的な布陣方法、例えば高い場所を選んで、低い場所を避けるといったことではなく、布陣の考え方であります。

戦争において実際に戦うのは兵士たちです。

戦場で兵士たちの士気が落ちたり、疫病で体調が悪くなれば、どんなに良い作戦を立てても実行できなくなります。

孫子では、戦争に勝利するために、兵士の士気や体調を考慮して布陣することを推奨しています。

さらに、地の利を生かすことを忘れていません。

ただ単に兵士の士気、体調だけではなく、自然をも味方につける考え方をしています。

ビジネスに置き換えて考えると、会社が社運をかけて勝負をする際は、社員の士気や体調にまで気を配る必要があるということです。

会社の命運ばかりを気にして、実際に戦う社員の士気を下げるような発言をしたり、社員の体調を無視したようなスケジュールを組んだりすると、社運をかけた勝負に負けてしまうということです。

会社のリーダーは、社員の気持ちが一致団結するように配慮する必要があるということです。

さらには、社員だけでなく、世の中の流れを読み取り、自分たちが有利となるような戦略をとる必要があります。

社員と地の利を生かした戦略構築がリーダーの仕事だと思います。

2012年4月13日金曜日

孫子 四軍の利

ここからは行軍篇です。

孫子によれば、山間部で戦争をする場合は、山を越えたら谷沿いに行軍し、視界の良い高所に陣を構えるべきで、高所に陣を構えている敵軍に攻撃してはいけない。

河川で戦争をする時に、河川を渡る場合は、速やかに渡るべきで、河川を渡っているときに敵軍が攻めてきた場合は、河川上で敵を迎え撃ってはいけない。

全軍の内半分以上が渡ってしまってから攻撃するのは効果的である。

河川で戦争をする場合は、河川に近づきすぎてはいけない。

また、視界が良い高所に陣取り、川下から川上の敵に攻撃をしてはいけない。

湿地帯で戦争をする場合は、湿地帯をできるだけ速やかに通過し、留まるべきではない。

万が一湿地帯で戦う必要がある場合は、水草の茂みに陣取り、背後に木々のある場所を選ぶべきである。

平地で戦争をする場合は、高所を背にして陣取り、必死の覚悟で戦い、生き残るという気持ちを持たないことである。

ここに示した四軍の利(4つの場所による勝利のための戦争方法)は黄帝が勝利を手にした方法である。

ここに示された四軍の利は、当時のケーススタディを示したもので、当時の戦略として以上に合理的な考え方であります。

ここで学ぶべきは、各状況に応じた合理的な戦法の立て方ではないでしょうか?

ビジネスシーンにおいても、競争の状況は製品の種類や販売場所等、それぞれ状況は異なります。

それぞれの状況において、最も合理的な作戦を立てる必要があります。

例えば、高級な製品を販売するのに、庶民にいくらアピールしても売り上げは伸びないと思います。

あるいは、薄利多売の製品を販売するのに、過剰な宣伝費をかけて販売促進しても、宣伝費に見合う利益を上げられるか疑問です。

このように、ビジネスにおける孫子の応用は、常に状況に応じた合理的思考をすることだと思います。

常に頭の片隅においておきたい教えです。

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