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2012年2月29日水曜日

孫子 虚を衝く

進軍して相手が防御できないのは、相手の虚を衝くからである。

退却するとき相手が追撃できないのは、退却を速やかに行うからである。

自軍が戦う好機であれば、敵が塁を高く積んだり、溝を深く掘ったとしても、戦わざるを得ないのは、相手が戦わざるを得ない場所を攻撃するからである。

自軍が戦いたくないときは、場所を区切って守り、手薄なところを攻めさせないのは、敵の攻撃目標を他に逸らすからである。

戦争においては、相手が籠城戦に持ち込むと長期戦に陥り、孫子の提唱する短期決戦が出来なくなります。

しかし、相手が応戦しなければならない状況を作り上げれば、籠城戦にならなくて済みます。

よくサッカーで失点を防ぐ戦法で、相手が自陣からほぼ出ることなく、守りを固めることがあります。

このような場合、攻撃陣はボールをいったん下げて、相手が前へ出てくるように仕向けます。

そして、相手がある程度前へできた所で、相手の一番弱い所から攻めることにより、得点することがあります。

逆に、どうしても守らないといけない場合は、自分の真の弱点を隠し、本当はしっかり守っている場所をあたかも弱点のように見せかけ、真の弱点を攻撃させないことが重要です。

ビジネスにおいて虚を衝くとは、市場が思ってもいなかった製品を投入し、驚かせることではないでしょうか?

虚を衝くことは簡単ではありませんが、常日頃から仕事のことを考え続けることにより、新たなアイデアが浮かんでくるのだと思います。

虚を衝くようなアイデアが浮かぶように努力します。

2012年2月27日月曜日

孫子 攻守の要

守りの薄い場所を攻め、敵が思いもよらないところを攻める。

千里の距離を行軍しても兵が疲弊しないのは、敵のいない道を行軍するからである。

攻撃して必ず勝利するのは、敵が守っていない場所を攻めるからである。

守りが堅固なのは、敵が攻めてこないように守っているからである。

攻めることに長けたものは、敵にはどこを守ったらよいかわからせない。

守ることに長けたものは、敵にどこを攻めたらよいかわからせない。

このような状態にしてしまえば、兵力も音も使うことなく、敵を翻弄することができるようになる。

そうすれば、容易に敵を制することができるのである。

戦争において、どこを攻め、どこを守るかは重要な判断です。

相手と比較して十分な兵力があれば、全てを守り、全てを攻撃すればよいのですが、実際の戦争では、ここまでの兵力差は稀で、比較的拮抗した戦力で戦うことになります。

そうすると、重要な場所を守り、相手の急所を攻めることになります。

しかし、その重要な場所や急所は相手に分からないようにするものです。

相手が攻める場所や守る場所がわからない状態にして、自軍は急所を守り、相手の急所を攻めれば、容易に勝利することが出来ます。

良く隙間産業という言葉を聞きますが、隙間産業の中には隙間産業と呼ぶには大きな市場があったりします。

このような市場を見つけるのは中小企業で、大手企業が見つけられなかった市場を丹念に探して攻めた結果だと思います。

競争相手の少ない大きな市場を見つけ出し、そこを攻めるのが零細企業の正攻法ではないでしょうか?

良く勉強して競争相手の少ない市場を見つけ出したいと思います。

2012年2月24日金曜日

孫子 主導権

孫子によれば、戦場に先に到着して準備して待てば有利になるし、戦場に遅れて到着して敵に相対すれば不利になります。

戦上手は、人をうまく使い、他人に使われることがありません。

敵に自分の思い通りの行動を起こさせるには、敵が行動を起こすことにより自分たちが有利になると思いこませればいいのです。

敵に自軍が不利となるような行動を思いとどまらせるのは、その行動により敵が不利になると思いこませればいいのです。

敵に余裕があるようであれば、作戦によって敵を疲弊させるのです。

敵の食料が十分であれば、作戦によって食を減少させるのです。

敵が安定しているようであれば、動きを与えて動揺させるのです。

このように自分たちが有利となるように戦争を進めるためには戦争の主導権を握る必要があります。

主導権を握ってしまえば、敵を自分の思うままに動かし、易々と勝利を手にすることが出来るのです。

戦争において主導権は書くも重要ですが、ビジネスの世界においても主導権は事情に重要です。

市場を独占、寡占すれば、製品の価格や出荷量、出荷時期もある程度自分の思うままに制御できます。

自分たちの開発した製品が世界標準になれば、自分たちの思うままの開発を続けることが出来ます。

これを実践しているのが、例えばインテルやマイクロソフトではないでしょうか?

インテルなどは、コンピュータに使用するCPU(MPU)の開発について、自らマイルストーンを作成し、どの時期にどの程度の能力を持ったCPUを開発すると宣言しています。

コンピュータメーカーやソフト開発メーカーはこのマイルストーンに合わせて自社の開発スケジュールを作っています。

まさにビジネスで主導権を握り成功した好例だと思います。

マイクロソフトも同様に、自らOSの開発スケジュールを作成し、ソフト開発メーカーはそのスケジュールに従ってソフトを開発していっています。

ただし、度が過ぎると独善となり、他社の反発に遭い、没落していくことになると思います。

主導権を握りつつも、ユーザーが求める機能を達成していくという、お客様第一主義が必要条件だと思います。

いつかは、そのような仕事ができれば良いなと思います。

2012年2月22日水曜日

孫子 集団

戦に長けた人は、個人の能力ではなく、集団としての勢いを重要視します。

個を捨て、集団の勢いに任せます。

集団の勢いを大事にする人は、丸太や岩を坂で転がすように扱います。

大きな丸太や岩は安定していれば静かに佇んでいますが、不安定になれば動きだし、四角ければ止まり、丸ければ動きます。

故に、戦に長けた人は丸い岩を奥深い谷へ転がすように勢いを活用します。

戦争においては、兵士個人個人の能力よりも集団としての勢いが大事であることを説いています。

これは会社としての集団でも同じことだと思います。

個人個人の能力が高くても、社員が異なる目標を掲げて、各々が違う方向を向いて頑張っても、結果として大きな力にはなりません。

しかし、個人の能力が高くなくても、皆が同じ方向を向いて、力を合わせると、とてつもなく大きな力を得ることが出来ます。

リーダーというのは、集団の力を引き出すために、個人個人が同じ方向を向くように努力するのが仕事だと思います。

同じ方向を向かせる方法は色々あるでしょうが、まずは皆が共有できる一つの大きな目標を示すことだと思います。

そして、その目標に向かって同じ方向を向いてもらうためには、リーダーの献身的な働きが重要です。

自分のためではなく、集団のために一緒になって働く姿勢です。

口ばかりでは、人はついてこないでしょうし、自分のためだけに一生懸命働いているリーダーにも人はついてこないでしょう。

リーダーは、集団のために滅私奉公する必要があるのだと思います。

集団としての勢いを肝に銘じて頑張りたいと思います。

2012年2月20日月曜日

孫子 治乱 勇怯 強弱

戦争において、乱戦となっても、自分の軍隊の統制を乱してはいけません。

混沌とした戦いにおいても敗れるわけにはいきません。

乱は治に生じ、怯は勇に生じ、弱は強に生じます。

治乱は組織力により決まり、勇怯は勢いによって決まり、強弱は形勢で決まります。

用兵に優れた将軍が命令すれば、敵はこれに従い、敵に何かを与えれば、敵は必ずこれを受け取ります。

敵に利があるように見せかけて、精鋭部隊で一気に叩き潰すのです。

戦争のように敵味方入り乱れての混戦では、統率が乱れやすくなりますし、勇猛な兵隊がおびえることもあります。

また、屈強な兵隊が脆弱な兵隊へと変貌することもあります。

このような状況を避けるためには、日頃から統率を取る訓練が必要ですし、勢いを読む能力も必要となります。

さらには、常に戦況をみて、不利な状況にならないように先手を打つ必要もあります。

優れたリーダーは、相手の心理を読み取り、自分の意のままに敵を操ることが出来ます。

このような優秀なリーダーの下では、相手に罠を仕掛け、簡単に相手を負かすことが出来るというのです。

ある程度の人数の組織を動かすには、リーダーの能力が大きく問われます。

人の集まりである組織は、統率がとれていなければ、烏合の衆と化します。

さらに、組織は勢いに敏感で、勢いに乗れば物事は好転しますが、勢いがなくなると、一気に変貌します。

組織は、負けが見えると一気に弱腰になり、一気に弱体化します。

リーダーは、上述のような状況にならないために先手先手で手を打つ必要があります。

常に全体と先を見越す能力が必須だと思います。

肝に銘じて、日々研鑚したいと思います。

2012年2月17日金曜日

孫子 勢

激しい水の速い流れが石を動かすのは勢いがあるからです。

鷲や鷹が獲物を一撃のもと捕えるのは、節(瞬発力)があるからです。

そのため、戦上手は勢いに乗じて、一瞬にして相手を打ち破るのです。

勢いとは弓を引き絞るようなもので、節(瞬発力)とは、矢を放った瞬間のようなものです。

孫子においては、戦争で重要なのが勢いと瞬発力だと説いています。

勢いとはダムで堰き止めておいた水を川に一気に流し込むようなものです。

この勢いに乗じて、瞬発力で一気に情勢を決めてしまうのが良いということです。

好機はそう何度も来るものではなく、得た好機は絶対にものにしなくてはなりません。

これは、まさにビジネスの世界でも同じで、好機は何度も来るものではなく、訪れた好機を絶対ものにした人が成功するのだと思います。

そして、好機は一瞬にして過ぎ去って、去った好機は絶対に掴むことはできません。

だから、瞬発力が必要で、訪れた好機を一瞬で手に入れる必要があるのです。

そして、好機は、準備をしていないと掴むことが出来ないのだと思います。

日頃から、いつ来るかわからない好機をつかむ準備をして、訪れた好機を一気に掴むことが成功の秘訣なのだと思います。

経営者は常に、訪れる好機をどのようにして掴むかを考え、準備しておく必要があると思います。

2012年2月15日水曜日

孫子 奇正の変

音の基本は5つしかないが、5つの音が混ざり合うと、その変化を聞き分けることはできません。

色の基本は5つしかないが、5つの色が混ざり合うと、その変化を見分けることはできません。

味の基本は5つしかないが、5つの味が混ざり合うと、その味の変化はわかりません。

戦争の形態は奇正の二つしかないが、奇正の変化を窮めることはできません。

奇正の変化は循環の端が無い様なものです。

誰が、これを窮めることが出来るでしょうか?

音、色、味には基本となるものがあります。

当時はそれぞれ、5つの基本からなると考えられていたようです。

この基本的な要素は5つしかないのに、それらの組み合わせは無限にあり、どの要素がどれくらう混ざり合っているかを見極めることは困難です。

これと同じように、戦争の形態も、奇襲戦法と正攻法の二つしかありませんが、この二つを組み合わせることにより、予想をつけることは困難になります。

戦争においては、奇正の変化を絶え間なく続けることで相手にこちらの戦略を予想させることが出来なくすることが可能となります。

戦争においては、この様に相手にこちらの手の内を隠して、相手の隙に付け入って、勝利をものにするものだと、孫子は説いています。

ビジネスにおいても同様で、正攻法だけでも、奇襲戦法だけでも成功しないといえます。

基本は正攻法ですが、マーケットにうまく入り込むためには、人々がアッと驚くような奇襲戦法が必要なのだと思います。

常に頭を働かせ、市場が驚くようなアイデアを生み出せるようになりたいです。

2012年2月13日月曜日

孫子 奇正

戦争においては、正攻法で相対し、奇襲戦法で勝つものであります。

故に奇襲戦法に秀でるものは、天地のように終わることなく奇襲戦法を仕掛けてきます。

また大河のように奇襲戦法が尽きることがありません。

さらに毎日日が昇り、日が落ちた後は月が昇り、月が落ちた後はまた日が昇るように、始まっては終わり、終わっては始まるように奇襲戦法が生み出されていきます。

そして、木が枯れても、翌年にはまた花が咲く四季のように奇襲戦法が繰り返されるのです。

この内容を読んでいて思い起こしたのが将棋でした。

将棋は元々疑似戦争ですから当たり前といえば当たり前ですが、プロ棋士の将棋はまず正攻法で守りを固め、相手の出方を伺います。

そして、あれだけ数多く対局があっても、未だに新たな奇襲戦法が生み出されています。

トッププロ同士の対局では、相手が思いもつかないような奇襲戦法で攻撃しないと撃破できないのだと思います。

まさに、孫子の兵法を適用したものが勝利する世界と感じました。

一方で、今回の内容を誤解すると大失敗するだろうとも感じました。

孫子では正攻法で守り、奇襲戦法で勝つと書かれていますが、ともすると奇襲戦法だけが注目され、正攻法で守ることを忘れがちになります。

孫子では、正攻法で対峙することが基本であり、最終的に勝利するために相手の弱点に付け込む奇襲が必要なのです。

このことを肝に銘じて、正攻法を習得した上で、奇襲戦法を思いつけるだけの柔軟な考え方を習得したいと思います。

2012年2月10日金曜日

孫子 分数、形名、奇正、虚実

ここからは、(兵)勢篇についてです。

孫子においては、大部隊を小部隊を掌握するように統率するためには、軍の編成(分数)が重要であるとされています。

大部隊の兵を戦わせるのに、小部隊を戦わせているかのようにさせているのは、軍の指令系統(形名)です。

大部隊の兵士が敵の攻撃を受けても絶対に負けないようにさせているのは、奇襲戦法と正攻法の両方を熟知している(奇正に長けている)からです。

攻撃をする際、石で卵を割るがごとく簡単に打ち破るのは、充実した軍隊で、相手の弱い所を的確に攻撃する(虚実)からです。

戦争においては、多くの兵士を指揮して戦うわけですが、相手に勝つためには大きな兵力、すなわち多くの兵士が必要になります。

しかし、兵士の数が多くなれば多くなるほど、その統率が困難になっていきます。

この大部隊を統率するためには、軍の編成が重要となります。

ビジネスにおいては、会社組織になります。

会社組織の在り方については、多くの人が研究し、様々な組織形態が試されていますが、その時代時代で最適な組織とは変わっていっているようです。

しかし、組織編成の基本は適材適所であり、人間的に優れた人をリーダーとし、優れた功績を残した人には、相応の報酬を与えることだと思います。

この組織編成を間違えると組織としてうまく機能しなくなるばかりでなく、下手すると会社存亡の危機を迎えることになります。

多くの場合、経営者は高い理想を持って、その理想実現のために努力しています。

経営者の考え方を社員に伝える努力もするのですが、組織が大きくなると、伝言ゲームのようにその内容が少しずつ変化していき、末端の社員には間違って伝えられることがあります。

ここで、形名の重要さがわかります。

指令系統が必要な部署に正しく伝わる指令系統が必要になるのです。

途中に経営者の考え方を間違って理解している中間管理職がいると末端社員には経営者の正しい考え方が伝わらないのです。

指令系統を正しく保つには組織の編成が大きく影響するのです。

そして、指令が伝わった後に重要なのが、実際に戦争を行う兵士が、様々な戦法を熟知している必要があります。

これは、現場で行われる様々な戦法に対して、上層の指示を待っていたのでは遅いのです。

現場で判断すべきことは現場で判断しないといけないのですが、現場が戦略を熟知していなければ間違った判断をしてしまう可能性が高いのです。

そして、最後に勝利を収めるためには、相手の弱い所を集中的に攻撃することです。

これは、戦争で勝つためには、相手の弱点を見極め、一気に攻め勝つことの重要性を説いています。

孫子では、なるべく自軍の兵力を消耗しない戦い方を推奨しています。

戦いの中で、相手の弱点をいち早く見極め、集中攻撃するのです。

ビジネスにおいては、自分たちの得意とする分野で、市場開拓できるきっかけをいち早く見極め、その分野で勝負することが重要なのだと思います。

組織編成するほどの規模になったら、この項を再度勉強しようと思います。

2012年2月8日水曜日

孫子 勝利の条件

兵法における勝敗は、国土の大きさ、資源の豊富さ、人口の多さ、兵力の強さで決まります。

大きな国土は、豊富な資源を生み、豊富な資源は、多くの人口を生み出し、多くの人口は、兵力を強くし、強い兵力が勝利をもたらすのです。

勝利を手にする兵は、500対1の兵力差があるがごとく、敗北する兵は1対500の兵力差があるようなものです。

勝利を手にする兵を戦わせれば、なみなみと貯めておいた水を深い谷に流し込むように一気に攻め入って、勝利を手にするでしょう。

孫子における、勝利とは上述のごとく、絶対的に勝利する情勢を作り上げてから、戦争を始めるので、当たり前のように勝つことなのです。

繰り返しますが、孫子では、戦争は国の存亡にかかわる重大事であり、負けることは許されないものとして位置付けられています。

このため、一度戦争を開始すれば、絶対に刀たなければなりません。

しかし、絶対に勝つためには事前の準備が非常に大事になります。

孫子では、絶対に勝つための条件を事前に調査し、その体制を整えることに重きを置きます。

さらに、万が一に備えて、絶対に負けない準備をしたうえで、戦争を開始します。

ビジネスにおいても、絶対に負けないためには、事前の準備が重要になります。

次善の準備には情報がかかせません。

孫子においても、彼を知り己を知れば百戦して殆ふからずというように、自分と相手の戦力を十分に分析する必要性を説いています。

最近ではインターネットの普及により、様々な情報を手軽に入手できるようになりました。

しかし、インターネット上の情報は全てが正しいわけではなく、情報を入手する側が良く吟味する必要があります。

インターネット等から情報を得るのであれば、その真贋を見極める目が必要になります。

正しい情報を多く入手して、的確な判断をすることによって、ビジネスで成功することになります。

では、正しい情報はどのようにして得られるのでしょうか?

私の場合は、以下のように考えています。

1.情報源は確かか?
2.他の情報源との矛盾点はないか?
3.これまでの自分の経験から照らし合わせて合理的か?

このように、得られた情報を鵜呑みにするのではなく、一度自分で吟味する習慣が重要だと考えています。

必勝の体制を築き上げていけるように頑張っていきたいと思います。

2012年2月6日月曜日

孫子 まず勝つ

戦争において勝つことは間違いありません。

行く先々で必ず勝ちます。

なぜなら、既に負けることが決まっている相手と戦っているからです。

戦上手は、まず自分が絶対に負けない体勢を確立し、相手の隙には必ず付け入ります。

つまり勝つものは、自分が勝つことを事前に確認してから戦争を行います。

逆に負けるものは、まず戦争を始めてから勝ち方を考えます。

故に、優れた国主や将軍はまず自分の身を律して、国を統治するための法律を整備し、国民を統制します。

こうして必ず勝つ戦を行うのです。

以前にも書きましたが、孫子は戦国時代の群雄割拠の時代の戦略なので、他国から滅ぼされないように、絶対に負けない戦争の仕方を徹底しています。

一度勝っても、戦力が低下し、その他の国に滅ぼされたら意味がありません。

また、一度負け、他国に占領されれば、自分らの理想とする政治が出来なくなります。

このため、孫子では絶対に負けず、さらに戦力の低下を最小限の抑える戦い方を探っています。

事前のシミュレーションをしっかり行い、絶対に勝てる体制が整わなければ戦争を開始しないとしています。

ビジネスにおいても、この考え方は重要だと思います。

会社は絶対につぶしてはいけません。

会社を発展させるために勝負をするのであって、会社を潰すような賭けを行ってはいけないと思います。

事前に十分調査を行ってから行動するという、孫子の兵法は私にはぴったりだと感じています。

さらに孫子を勉強して、会社を発展させていきたいと思います。

2012年2月3日金曜日

孫子 勝ち方

孫子では、誰の目から見ても明らかな勝利というのは最善の勝ち方ではないとされます。

また、周囲の人たちが勝利を褒め立てるような勝ち方も最善の勝ち方ではないとされます。

細い毛を一本持ち上げたからといって、力持ちとは言われません。

太陽や月が見えるからといって、目が良いとは言われません。

雷が鳴る音が聞こえるからといって、耳が良いとは言われません。

これと同じように、真の戦上手は、当然のごとく勝つのです。

このため、真の戦上手は、戦に勝っても智名もなく、勇功もないのです。

つまり孫子において、最善の勝ち方とは、周囲の人たちが、それは勝って当たり前と思うような勝ち方です。

このため、その戦争で勝利を収めた将軍や将校は褒め称えられることがありません。

難しいことを、難しいと感じさせずに物事を解決することが最善ということになります。

確かにさりげなく勝利することは最善でしょうが、実際には非常に困難なことです。

ここでは、戦争においてはあらゆる戦略を試して勝利するのではなく、あらかじめ準備した戦略で当然のごとく勝てるように、事前にしっかり準備する必要性を説いているのだと思います。

また、この話を読んでいて思ったのが人の評価です。

さりげなく勝った将軍や将校たちは、智名もなく勇功もないと書いてあります。

この場合、勝利した将軍や兵士が正当に評価されない危険性があり、将軍や兵士のモチベーションが下がってしまう可能性があるということです。

人の評価は難しく、何を持って成果とし、何を持って優秀であるかという指標を明確にする必要があります。

経営者は、真に会社にとって必要な人材というものを高い視点と長いスパンで見極める必要があります。

上述のようにさりげなく勝利しているが、国益として優れた功績であれば、相当の褒賞を与える必要があります。

人は一生懸命頑張っている人を評価する傾向がありますが、頑張っているだけではなく、成果を上げている人も評価する必要があります。

このバランス感覚が重要なのだと思います。

人を見る目も養っていければと思います。

2012年2月1日水曜日

孫子 攻守の切替

戦争において勝機を見いだせない場合は、守りを固めることが重要です。

逆に勝機を見出したら、躊躇なく攻め入る必要があります。

つまり、守りを固めるときは劣勢にあるときであり、攻め入るときは優勢に立っているときであります。

戦略に長けた人は、守るときは自分の戦力を隠し、相手に自軍の劣勢を悟られないように守りを固めます。

また、攻めるときは相手に付け入る隙を与えることなく、一気に攻め入ります。

このように自軍の戦力および敵軍の状況を的確につかんで判断し、攻守の切り替えを行うことで、自軍の戦力の低下を最小限に抑えて勝利をものすることが出来るのです。

孫子では、攻め時、守り時をわきまえて、その時勢に応じて攻守の切り替えの必要性を説いています。

この話を聞いたとき”Shrink to Grow”という言葉を思い出しました。

人は大きくジャンプしようとするとき、深くかがみこむ必要があります。

ビジネスの世界でも、成長するために一度収縮しないといけない時期が出てくるのだと思います。

人生やビジネスには必ず良い時と悪い時の波があると思います。

良い時は攻めの姿勢で成長し、悪い時はじっと耐え凌いで好機を待つのです。

これは人生やビジネスの基本だと思います。

しかし、本当に成功している人たちは、良い時に攻めているだけでなく、また悪い時に耐え凌いでいるだけではないと思います。

良い時はがんがん攻めながら、先のことを考え、次の布石を打っていたり、耐え凌ぎながら、好機をつかむためのきっかけづくりをしていたりします。

一見調子の良い時は、その反動で悪くなることを予測し準備する必要があるでしょうし、悪い時に耐え凌いでいるときに準備をしていなかったら、チャンスを逃す可能性があるからです。

攻め時、守り時の判断を間違えないようにするとともに、先を見据えた行動がとれるように頑張りたいと思います。

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