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2011年12月28日水曜日

歳末御礼

今年も残すところ後僅かとなりました。

本年4月に会社を立ち上げて、あっという間の一年でした。

事業は思い通りにはいかず、まだ赤字会社ではありますが、徐々に業績は上がってきています。

今期中には単月黒字化し、来期以降は業績を大きく伸ばしていく所存でございます。

本ブログでは、私が起業した際や、経営判断をする際に参考にした、薩摩(島津日新斎)いろは歌や客家の教え、孫子の兵法を紹介してきました。

まだまだ未熟な経営者であるため、これらの教えを十分に生かし切れていませんが、大変参考になる教えばかりです。

私は、企業は世のため人のために貢献してその対価として報酬をもらうものだと考えています。

多くの人のために働けば、いつか大きな報酬も得られると思います。

来年も一層頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

今年一年大変お世話になりました。

皆様も良いお年をお迎えください。

2011年12月26日月曜日

孫子 短期決戦

孫子においては、戦争は短期決戦が良く長期戦は推奨しません。

なぜなら、長期戦になれば、兵士たちの士気を低下させ、自国の軍力を疲弊させることになるからです。

城攻めのような長期戦はその最たるものであります。

また、城攻めでなくてもただ戦略もなく、相手国を攻めることなく、ただ待たせておけば、兵の士気が落ちるだけでなく、兵力の低下を招いてしまいます。

昔から戦争において、短期決戦で成功した者はいても長期戦で成功したものはいないといいます。

なぜなら、長期戦で勝利を収めても、兵力の低下した国は戦国時代の他の国に攻められ滅ぼされることになるからです。

これをビジネスに置き換えて考えると、新規事業に参入するときは短期決戦が好ましいということになります。

万が一うまくいかないときは一度撤退して仕切りなおす方が得策と考えられます。

成功に固執して長期戦になった場合、自社の体力を大きく消耗し、立ち直れないところまで消耗する危険性があるからです。

戦争や新規事業参入において撤退といる決断は一番難しい決断ですが、大将、経営者はその決断ができる人でなければ成功しないということだと思います。

事前の分析をしっかり行い、短期決戦で勝負をするのが孫子の兵法だと思います。

2011年12月21日水曜日

孫子 戦争費用

孫子では、戦争には莫大な費用が掛かることを力説しています。

この莫大な費用が掛かることを認識して戦争を行わないと、戦争に勝ったとしても国としての体力を消耗し、他の国に攻め入られる可能性があるからです。

つまり、戦争を行うことは非常にリスクの高いことであることを、ここでも説いています。

戦争は総合的戦力で勝負が決することは書いてきましたが、戦争は一度で終わるわけはなく、戦国時代には、一つの戦争が終了すると、他国が戦力の低下した国を攻めてくるのです。

このように、戦争を行うには先の先まで読む必要があります。

これをビジネスに当てはめて考えると、新規事業で市場に打って出る際は莫大な費用が掛かるということです。

社運を賭けた新規事業では、勝負に負けると体制を立て直すこともできないでしょうし、たとえ成功しても、会社の体力は消耗しているので、次の新規事業に打って出るには相当期間が必要となります。

この間、成功した新規事業で社員を養っていかなければなりません。

このようなことまで考えたうえで、新規事業に打って出る必要があるのです。

会社の将来を考えると、新規事業で発展させていくことは必須かもしれませんが、勝負の仕方はよくよく考えないと失敗に終わり、会社滅亡の危機を迎えてしまう可能性がるのです。

自分の懐事情、将来の見極め等、経営者は多くのことを頭に入れて考える必要があります。

2011年12月19日月曜日

孫子 勝算

孫子においては、開戦前の総合戦力の比較検討が重要であると述べていることは前述した通りであります。

孫子においては、五事・七計で自国と相手国の総合戦力を比較検討すれば、開戦前に勝負がわかるというのです。

戦争で勝つには、開戦前の事前検討で、勝算があることが必須です。

五事・七計に照らし合わせて、勝算が十分あるなら、戦争には勝てます。

勝算が相手国より多ければ勝てる可能性が高いでしょう。

しかし、勝算がないなら戦争に勝てるわけはないというのです。

このような勝算のない戦争は絶対に行ってはいけないと説いています。

孫子の内容は非常に合理的です。

事前の戦力分析で勝算が十分あれば勝てるし、なければ負ける、だから勝算のない戦争はしてはいけません。

極稀に勝算のない時でも勝利を手にすることがあると思います。

奇跡的勝利というものです。

しかし、戦争を開始するのに奇跡を待っているようでは、勝利は覚束ないと思います。

スポーツの世界でも、実力差が明白で強者が勝つと思っていても、弱者が勝つときがありますが、これは何百試合に1回程度のことで、多くの場合は、順当に強者が勝つと思います。

ビジネスの世界においても、事前分析が非常で重要です。

孫子に書かれている通り、五事・七計に照らし合わせて、自社の戦力分析と市場の動向調査をしっかり行い、勝算があれば事業に成功するし、勝算がなければ事業に失敗するということであります。

勝算のない新規事業参入は間違った戦略であるといえます。

では事前の戦略分析とは何をすれば良いのでしょうか?

実はこれが経営者の能力が一番問われるところで、各社経営陣は、このことを考え続けているのだと思います。

事前分析の手法は各社異なりますが、基本が五事・七計に照らし合わせて、比較検討することだと思います。

私自身まだまだ駆け出しの経営者なので、この部分が理解しきれていないと感じています。

もっともっと勉強して、的確な判断ができるようになりたいと思います。

2011年12月16日金曜日

孫子 詭道

孫子においては、戦争は騙し合いだとされています。

本当はできるのに、できないふりをする。

本当は有用なのに、不用なふりをする。

本当は近くまで来ているのに、まだ遠くにいるふりをする。

本当はまだ遠くにいるのに、近くにいるふりをする。

相手が有利な振りをして、誘い出す。

相手をかき乱して、取り入る。

相手が充実していたら、待機して様子をみる。

相手が強大であれば、戦争を回避する。

相手が怒っていたら、これを利用して乱す。

相手が謙虚で冷静であれば、挑発する。

相手の休養が十分であれば、疲弊させるようにする。

相手の団結力が強ければ、団結力を乱すようにする。

相手が無防備であれば攻め入る。

相手が予想していない場所を攻撃する。

このように相手を騙すことが戦争に勝利する秘訣だとされています。

確かに開発競争などを行っているときに、競争相手を上のようにして騙し、自社が優れた技術を開発することもあるでしょう。

しかし、ビジネスにおいて、上記の内容を間違って解釈すると、大きな失敗をすることになると思います。

ビジネスにおいて戦う相手は競合他社ではなく、市場だということです。

孫子の兵法をビジネスにおいて応用する場合は、市場の予想していない場所を攻撃したり、競合他社がおらず、ぽっかり空いた市場に攻め入ったり、市場の欲求を刺激するような手法をとったりすることが重要だと思います。

孫子の兵は詭道なりとは、競合他社を騙すのではなく、市場が予想していなかった奇抜なアイデアを生み出すことではないでしょうか?

市場にはまだ発見されていない分野がたくさんあるのに、企業はそれに気づかない場合が多々あると思います。

このような分野を開拓することが重要だと思います。

2011年12月14日水曜日

孫子 臨機応変

孫子においては、その場その場での臨機応変力も重要視されます。

物事には必ず基本があります。

基本のなっていないものに応用力は付きません。

基本を忠実に守ることは重要です。

しかし、世の中には基本に忠実だけでは解決できない問題が山ほどあります。

この時重要なのが応用力です。

基本に忠実に対処するよりも、基本とは異なる対処法の方が良い時があります。

あるいは基本と全く逆の対処法の方が有効なときもあります。

実際の現場では、その場その場で臨機応変で対処する応用力も重要なのです。

基本に忠実に対処した方が適正なのか、あるいは、基本から外れた対処法が適正なのかの判断は非常に難しい所があります。

しかし、リーダーは常に現状を把握分析して、現状に最も適した対処法を適用する必要があります。

この決断ができる人が真のリーダーと言えるのではないでしょうか?

基本と応用の臨機応変の使い分けの重要性を孫子では説いています。

2011年12月12日月曜日

孫子 奉仕

孫子においては、軍師の役割の重要性を説くとともに、自分が使えるに値する王かどうかの判断基準も示しています。

それは、自分を軍師として雇い、自分の戦略を採用するなら、その国は戦争に勝利することが出来るが、自分を軍師として採用しても、進言を聞き入れない王や将のもとでは、戦争に勝てないといっています。

戦争においては、緻密に計画された一貫した戦略が必要ですが、優れた軍師が立てた戦略を採用しなかったり、実行できないようでは戦争には勝てないのです。

これをビジネスの世界に置き換えると、社長には優秀な参謀が必要となります。

その参謀の言うことに耳を傾けながら、決断を下していく必要があるのです。

単なるワンマン社長は自分が正しいと思いこみ、視野が狭くなり、全体像が見えなくなる危険があります。

このようなとき、優秀な参謀の意見に耳を傾ける余裕があれば、成功の確率は高まるのです。

別の見方をすれば、小さな組織であっても、部下の進言に耳を傾けて方針を判断するリーダーと全くのワンマンリーダーとでは、視野の広い前者の方が目標を達成できると思います。

孫子の思想では国民や兵士、ビジネスの世界では社員や部下の気持ちを一つにできるリーダーが勝利を収めることになります。

リーダーは常に自分の考えをチェックし、利己的になっていないか、全体のために働いているかを確認する必要があると思います。

2011年12月9日金曜日

孫子 七計

孫子が開戦前の戦力分析を重要視していることは、これまで書いてきたとおりです。

では、実際にどのように戦力分析を行うか?

この際七計を用いて、比較検討することを説いています。

1.国を治める主はどちらが、国民の指示を受けるような、人の道に反しない、賢明な政治を行っているか?

2.軍を取り仕切る大将は、どちらが有能であるか?

3.気象や季節、地形はどちらに有利か?

4.国や軍の規律はどちらの方が厳し守られているか?

5.軍力はどちらが強いか?

6.兵隊一人一人は、どちらの国が良く訓練されているか?

7.賞罰は、どちらが公明正大に行われているか?

これを企業に当てはめて考えてみます。

1.社長は社員の心を掌握するような方針を打ち出しているか?

2.リーダーである部長や課長の能力は優れているか?

3.市場の状況は自社に有利な状況か?

4.社内の規則を社員は守っているか?あるいは企業コンプライアンスは守られているか?

5.会社の技術開発力は優れているか?

6.社員一人一人が経営者意識を持って働いているか?

7.昇進や賞与の査定は公明正大に行われているか?

現在の企業に当てはめると上述のようになるのではないでしょうか?

企業が小さいうちは、社長の能力が優れていれば、上述のことは達成できるでしょうが、企業が大きくなっていくと、社長の目は届かなくなり、部長や課長等の中間管理職の能力が問われることになります。

しかし、優秀な人材というのはそれほど多くはありません。

限られた人材の中で、どのように上述のことを達成するかを考えることが重要です。

多くの大企業では、上述のことが出来ないために、優秀な人材を放出し、平凡は人材を抱え込むことが多くなっているのではないでしょうか?

孫子は企業のあり方や存在意義を明確にするのに大変有効な参考書だと思います。

2011年12月7日水曜日

孫子 五事

孫子においては、戦争を始める前に本当に戦争をすべきか、そうでないかを十分検討することを説いています。

戦争を開始するか、戦争を回避するかは、自国と他国の戦力分析で決定することになります。

この戦力分析を行うために、五事を用いることになります。

五事とは、「道」、「天」、「地」、「将」、「法」のことです。

「道」は大義名分と言い換えても良いと思います。

戦争には大義名分が必要となります。

これは、兵士や国民の心を一つにする必要があるからです。

人の心とは脆いものですが、大義名分のもとに一度結束すると、一人の力×人数分以上の力を発揮するものです。

戦争においては1+1を2以上にするための大義名分が必須なのです。

「天」は、気象条件や時間的条件のことです。

暑い日と寒い日、晴れた日と雨の日、明るい時間と暗い時間など、気象条件や時間的条件で戦力は大きく異なります。

「地」とは、地理的条件のことです。

戦場が平野なのか、山中なのか、谷底なのか等、地理的条件は戦況に大きく影響を与えます。

「将」とは、戦争を指揮する大将の能力と言い換えて良いと思います。

すなわち、知・信・仁・勇・厳など、人間の器の大きさのことです。

「法」とは、軍の規律と言い換えても良いと思います。

すなわち、軍の持つ力を有効に活用するためには、軍の統制が保たれている必要があります。

命令に対して、如何に迅速に従順に行動できるかが勝敗を分けるといっても加減ではないと思います。

上述のように孫子では、開戦前の戦力分析に「道」、「天」、「地」、「将」、「法」の五事を用いて十分検討するように説かれています。

2011年12月5日月曜日

孫子 基本理念

孫子は兵法書なので、戦争についての戦略を述べています。

しかし、孫子では冒頭で戦争に対する基本理念となる考えを述べています。

それは、戦争は国家存亡の重大事であり、戦争により国民や国家経済に多大な影響を与えることを十分認識したうえで、検討することが必要であると述べています。

これは、ビジネスにおいては、創業するとき、あるいは新規事業に参入するときに当たると思います。

すなわち、創業する場合や新規事業に参入する場合は、自分や従業員の生活にまで大きな影響を与える上、会社の経営状態にも大きな影響を与えることを十分認識した上、創業の可否、新規事業への参入の可否を判断する必要があると解釈できます。

戦争、創業、新規事業参入を検討する場合は、細心の注意が必要であるということです。

孫子における基本理念は、まず戦争(創業、新規事業参入)の重要性を認識し、その上で戦争(創業、新規事業参入)について、細心の注意を払い、調査しなさいということです。

この考えをベースに細心の注意の払い方、調査の仕方について説明していきます。

この考えは、一時の感情や思い付きで戦争(創業、新規事業参入)を始めてはいけないということを戒めているのだと思います。

次回以降は、戦争(創業、新規事業参入)を始める前の検討の仕方について紹介していきます。

なお、あまり関係ないかもしれませんが、今回が記念すべき投稿100件目です。

これからも、自分の勉強してきたことを紹介していきたいと思います。

2011年12月2日金曜日

孫子の兵法書

古今東西、兵法書と言えば真っ先に頭に浮かぶのは「孫子」ではないでしょうか?

孫子は約2500年前に著された兵法書ですが、兵法書として最も優れた書物の一つとして有名です。

また、兵法書としてだけではなく、現代のビジネス戦略の参考書としても注目される書物です。

孫子の優れた所は、戦略の基本が人の深い洞察から導き出されたものであり、内容の応用性に富んでいるという点ではないでしょうか?

孫子の崇拝者は歴史上の人物にも多く、書物の書かれた中国では、三国志で有名な曹操、日本国内では武田信玄、ヨーロッパにおいてはナポレオンが有名なところです。

孫子は、以下の13篇からなります。

1.(始)計篇

2.作戦篇

3.謀攻篇

4.(軍)形篇

5.(兵)勢篇

6.虚実篇

7.軍争篇

8.九変篇

9.行軍篇

10.地形篇

11.九地篇

12.火攻篇

13.用間篇

次回からは、孫子の兵法をビジネスに絡めて紹介していきたいと思います。

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