戦争に勝利し、敵国を奪い取っても、当初の目的を達成しなければ、その戦争は成功とはいえない。
このような状況を費留(費やした努力に対して得られるものが少ないこと)という。
優れた君主は目的達成を慮り、優れた将軍は目的達成を主とする。
有利でなければ戦争を起こさず、必ず得ることが出来る状況でなければ、用兵せず、どうしても戦わざるを得ない状況でなければ戦争をしない。
君主は自らの怒りをもって戦争を開始してはいけないし、将軍は自らの憤りをもって戦争をしてはいけない。
有利であれば動き、不利であれば止める。
怒りはいつしか喜びに、憤りはいつしか悦びに変わるかもしれないが、国が亡びたら復興することはないし、死んだ者は決して生き返らないのである。
だから、名君は戦争を慎み、名将は戦争を戒めるのである。
この考え、行動こそが国を安泰にし、軍を全うする道なのである。
ここでは、リーダーとしての重要な心得を示しています。
リーダーは己の怒りに任せて行動してはいけない。
リーダーは必ず勝てる有利な状況でなければ行動していはいけない。
なぜなら、国は一度滅びると、再興はできないし、戦争で死んでいった兵士たちは決して生き返らないからです。
戦争は、このような大きなリスクを背負って行うものだから、慎重の上にも慎重に判断する必要があると述べています。
これは、会社でも同じことが言えます。
会社は倒産すると多くの社員が路頭に彷徨うことになります。
これは、リーダーとして最もやってはいけないことだと思います。
リーダーの判断で勝負に出て、失敗したから倒産したでは済まないのです。
絶対に失敗しな状況を作り上げてからしか、勝負に出てはいけないということです。
また、リーダーは自分の怒りに任せて行動していはいけないという点も重要です。
リーダーは私利私欲を捨て、組織のため、あるいは世のため人のために行動すべきであると述べています。
リーダーとしての心得を端的に述べている部分だと思います。
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