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2011年9月14日水曜日

客家の教え 欲望に忠実...

「欲望に忠実になるためにこそ禁欲的に」

一見すると矛盾するように見えますが、実は核心を突いた言葉です。自分の欲望を満たすためには、まず自分の欲望を押し殺して、他人の欲望を満たしてあげる方が近道なのです。

自分の欲望を表に現わしている人の周りに人は寄ってきません。いわゆる利己的な人の周りには人は近づかないのです。

それよりも、他人のために一生懸命な人の周りには同じような人が集まってきます。そして、他人のために働く人は、周りの人の欲望を満たしてくれます。

このように他人の欲望を満たし続けていると、自然と周りの人が自分の欲望を満たしてくれるようになるのです。

急がば回れと言いますが、まさに自分の欲望を満たすためには急がば回れです。別の言い方をすれば、情けは他人のためならずとも言えます。

また、この考え方はカントの考え方にも近いと思います。鳥は空気がなければ、空気抵抗がなくなってもっと速く飛べるのにと思いますが、実際に空気が無くなれば飛ぶことは全くできないのです。

同じようにカントは、人間社会には規則があるから自由に生きられるのだと考えました。良く学生時代に規則にがんじがらめになって、自由がないと感じた人も多いと思います。

しかし実際には、規則があるから自由を感じられるとも考えられます。仮に法律が無くなったとすると、一部の無法者が自分勝手な振る舞いをするかもしれません。

そのような無法者を取り締まる法律がなければ、自由に生きることはできなくなる可能性があります。

欲望に忠実になるためにこそ禁欲的にという言葉は奥の深い、核心を突いた言葉だと思います。肝に銘じて頑張ります。

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