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2012年1月13日金曜日

孫子 百戦百勝は最善にあらず

孫子においては百戦して百勝するのは最善ではなく、次善であるとされています。

孫子における最善は、戦わずして勝つことであるとされています。

孫子には、敵国を打ち負かして勝つことは次善で、最善は敵国を破壊することなく勝つことだとされます。

同様に、敵国の大隊、中隊、小隊も撃破するのではなく、なるべく相手を傷つけることなく勝つことが求められます。

孫子では単に戦争に勝つことを目的とせず、国を統治することを目的としています。

つまり、戦争も自国を統治するための手段の一つなのです。

敵国に大きなダメージを与えて勝つより、敵国の国力を維持して勝った方が最善であるのは、敵国に勝った後は、その敵国は自国になるからです。

つまり、戦争に勝った後、撃破した敵国の再生をするのは自分たちなのです。

このことを考えると、戦わずして勝つということが最善であることは明白です。

しかし、通常戦争においては、敵国に大きなダメージを与えて、敵国の戦意を失わせて勝つことを実行します。

これは、戦争に勝つことを目的とし、その後事は何も考えていないといえます。

もっとも、戦争のような極限状態においては、先のことを考える余裕がなく、目の前の戦いに勝つことしか考えられないのかもしれません。

孫子における優れた国主、将軍は、目の前の勝利だけではなく、先の先の自国のことを考えて行動するのだと思います。

ビジネスにおいては当てはめると、ある商品やサービスの価格競争がこれに当たるのでないでしょうか?

ある商品やサービスの市場が成熟してくると価格競争が始まります。

自社の営業努力でコストを削減し、他社に負けない低価格を実現しようとします。

しかし、この価格競争は会社の体力を大きく消耗します。

優秀な経営者は、この価格競争に大きな力は注ぎません。

優秀な経営者は、価格競争に入る前に、次の商品、サービスを開発しています。

自社の体力が無くなる前に、新たな新商品、新サービスを開発することで、他社と戦うことなく競争に勝つことを考えるのです。

常に市場が欲するものを先手先手で開発することが、孫子における戦わずして勝つの戦略と言えると思います。

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