ここからは、(兵)勢篇についてです。
孫子においては、大部隊を小部隊を掌握するように統率するためには、軍の編成(分数)が重要であるとされています。
大部隊の兵を戦わせるのに、小部隊を戦わせているかのようにさせているのは、軍の指令系統(形名)です。
大部隊の兵士が敵の攻撃を受けても絶対に負けないようにさせているのは、奇襲戦法と正攻法の両方を熟知している(奇正に長けている)からです。
攻撃をする際、石で卵を割るがごとく簡単に打ち破るのは、充実した軍隊で、相手の弱い所を的確に攻撃する(虚実)からです。
戦争においては、多くの兵士を指揮して戦うわけですが、相手に勝つためには大きな兵力、すなわち多くの兵士が必要になります。
しかし、兵士の数が多くなれば多くなるほど、その統率が困難になっていきます。
この大部隊を統率するためには、軍の編成が重要となります。
ビジネスにおいては、会社組織になります。
会社組織の在り方については、多くの人が研究し、様々な組織形態が試されていますが、その時代時代で最適な組織とは変わっていっているようです。
しかし、組織編成の基本は適材適所であり、人間的に優れた人をリーダーとし、優れた功績を残した人には、相応の報酬を与えることだと思います。
この組織編成を間違えると組織としてうまく機能しなくなるばかりでなく、下手すると会社存亡の危機を迎えることになります。
多くの場合、経営者は高い理想を持って、その理想実現のために努力しています。
経営者の考え方を社員に伝える努力もするのですが、組織が大きくなると、伝言ゲームのようにその内容が少しずつ変化していき、末端の社員には間違って伝えられることがあります。
ここで、形名の重要さがわかります。
指令系統が必要な部署に正しく伝わる指令系統が必要になるのです。
途中に経営者の考え方を間違って理解している中間管理職がいると末端社員には経営者の正しい考え方が伝わらないのです。
指令系統を正しく保つには組織の編成が大きく影響するのです。
そして、指令が伝わった後に重要なのが、実際に戦争を行う兵士が、様々な戦法を熟知している必要があります。
これは、現場で行われる様々な戦法に対して、上層の指示を待っていたのでは遅いのです。
現場で判断すべきことは現場で判断しないといけないのですが、現場が戦略を熟知していなければ間違った判断をしてしまう可能性が高いのです。
そして、最後に勝利を収めるためには、相手の弱い所を集中的に攻撃することです。
これは、戦争で勝つためには、相手の弱点を見極め、一気に攻め勝つことの重要性を説いています。
孫子では、なるべく自軍の兵力を消耗しない戦い方を推奨しています。
戦いの中で、相手の弱点をいち早く見極め、集中攻撃するのです。
ビジネスにおいては、自分たちの得意とする分野で、市場開拓できるきっかけをいち早く見極め、その分野で勝負することが重要なのだと思います。
組織編成するほどの規模になったら、この項を再度勉強しようと思います。
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