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2012年3月14日水曜日

孫子 遠征は困難

軍争は成功すれば、自軍を有利に導くが、危険を伴うものである。

全軍を挙げて進軍しようとすれば、進軍が遅く敵に後れをとり、進軍の速さを優先すれば、重装備の兵や武器が後方に残され、戦場で使用できない。

したがって、とりあえずの装備で、昼夜を問わず、移動距離を通常の倍にして、百里先まで遠征すれば、先遣隊、本隊、殿隊の三人の大将共々捕虜とされるであろう。

強兵は先行し、弱兵は遅れをとり、戦場では戦力が十分の一になってしまう。

五十里の遠征であれば、兵力が半分となり、先遣隊の隊長は倒されるであろう。

三十里の遠征であれば、戦略は三分の二となる。

このように、重装備の兵や兵器がなければ、戦争には勝てないし、兵糧やその他戦略物質がなければ戦争には勝てないのである。

ここでは、自軍を有利にするための戦略の危険性も述べられています。

軍争により敵を油断させ、自軍を有利にできればよいが、その後の急進軍により、軍が分断され、戦場において不利となる危険性があるといっています。

まさに優れた戦略と愚かな戦略は紙一重というわけです。

以下に優れた戦略であっても、その時の状況に合わせて実行しないと有利が不利になるということです。

このリスクをも理解して、本当に軍争を実行するかどうかを決定するように説いています。

孫子の優れた点は、このように物事を一面的ではなく、多面的にとらえているところだと思います。

ある一面では有利でも、見方を変えれば不利となることがあります。

だから、常に客観的に状況分析して、その時々で最良の戦略をとる必要がるのだと思います。

孫子は本当に良い勉強になります。

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