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2012年3月23日金曜日

孫子 気心力変

自軍は、敵軍の士気を奪うようにし、敵将軍の心の動揺を誘うようにすべきである。

一般的に朝は士気が鋭く、昼には堕落し始め、夜には低下しているものである。

よって、戦上手は士気の高い朝を避けて、士気の落ちている昼や夜に攻撃する。

これが気を制御するということである。

統制のとれた自軍で、敵軍が乱れるのを待ち、静かに敵軍が攻めてくるのを待つ。

これが心を制御するということである。

自国から近い場所で、遠い敵国からくる敵軍を待ち、自軍は静養して士気を高め、遠征で疲労した敵軍を待ち、自軍は食料を十分に摂って、敵軍が飢えるのを待つ。

これが力を制御するということである。

統制のとれた状態で攻めてくる敵軍を迎え撃つことなく、しっかりと守りを固めた敵陣を攻めることをしない。

これが変を制御するということである。

ここでは、孫子の大きな特徴である、鋭い人間観察に基づく人の心理を利用した戦略が披露されています。

集団は士気が高まり、集団の気持ちが一つになると大きな力を発揮します。

しかし、どんなに兵の数が多くても、士気が低く、統制がとれていなければ、容易に打ち破ることが出来ます。

また、以前のべたように遠征は戦争において非常に不利になります。

このため、自軍はできるだけ、自国に近い所で、敵にとっては遠い所で戦争をした方が有利になります。

また、きっちりと統制のとれている状態の時に、敵を攻めることは一切しません。

敵が乱れるきっかけを作り、じっと待つのです。

このように、敵軍の気(士気)を制御し、敵将の心を制御し、敵軍の力を制御し、敵軍の統制を変えることで、勝利を手に入れるというのです。

戦争は人が行うものです。

同様にビジネスも人が行うものです。

人の心理や特性を良く理解した上で、その心理や特性に基づいたビジネスが大きな勝利を導き出すのだと思います。

孫子の人間観察の鋭さに驚くばかりです。

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