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2012年5月9日水曜日

孫子 地形

ここからいよいよ地形篇です。

地形には、通、挂、支、隘、険、遠がある。

自軍も進軍すべきだし、敵軍も進軍すべき地形が通である。

通という地形では、まず日当たりのよい高台に陣取り、兵糧の運搬道を確保して戦えば、有利に戦争を進められる。

進軍しやすいが退却し難い地形が挂である。

挂という地形では、敵軍の備えが十分でなければ、攻めて勝利することが出来るが、敵軍の備えが十分であれば、攻めても勝利することが出来ず、さらに退却が困難なので、不利となる。

自軍が進軍しても不利、敵軍が進軍しても不利な地形を支という。

支という地形では、敵が誘っても、自軍は進軍してはいけない。

一旦引いて、敵を半ば進軍させて攻撃すれば、有利となる。

隘という地形では、自軍が先に占領していれば、入口を固めて、敵を迎え撃てば良い。

もし、敵軍が先に占領していて、入口を固めていたら、攻撃してはならない。

しかし、入口を固めていなければ、攻撃して良い。

険という地形では、自軍が先に占領したら、高台の日当たりの良い所に陣取り、敵を迎え撃てば良い。

もし敵軍が先に占拠していたら、退却して、絶対攻撃してはいけない。

遠という地形では、勢力が拮抗していたら、進軍すべきではない。

攻撃を仕掛ければ不利となる。

この六つの地形の対処法は、戦争の基本である。

将軍たる者の判断が重要である。

熟慮が必要である。

通:自軍も敵軍も進行すれば有利となる地形。

挂:進軍はし易いが退却し難い地形。

支:自軍、敵軍とも進軍したら不利となる地形。

隘:入口が狭くなった地形。

険:険しい地形。

遠:自国から遠い地形。

ここでは、地形毎に進軍すべきか、退却すべきかの判断基準が示されています。

ビジネスにおいては、単なる地形ではなく、ビジネス環境として読み替えれば良いと思います。

通とは、自社が進出しても、競合他社が進出しても有利となる市場。

挂とは、進出はしやすが、撤退がしにくい市場。

支とは、自社も競合他社も進出し難い市場。

隘とは、先に進出すれば有利となる市場。

険とは、進出の困難な市場。

遠とは、競合他社が得意とする分野の市場。

上記のように考えれば、新規事業の進出の際の判断基準として有効活用できると思います。

このような汎用性が孫子の優れた一面と言えると思います。

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