ここからいよいよ地形篇です。
地形には、通、挂、支、隘、険、遠がある。
自軍も進軍すべきだし、敵軍も進軍すべき地形が通である。
通という地形では、まず日当たりのよい高台に陣取り、兵糧の運搬道を確保して戦えば、有利に戦争を進められる。
進軍しやすいが退却し難い地形が挂である。
挂という地形では、敵軍の備えが十分でなければ、攻めて勝利することが出来るが、敵軍の備えが十分であれば、攻めても勝利することが出来ず、さらに退却が困難なので、不利となる。
自軍が進軍しても不利、敵軍が進軍しても不利な地形を支という。
支という地形では、敵が誘っても、自軍は進軍してはいけない。
一旦引いて、敵を半ば進軍させて攻撃すれば、有利となる。
隘という地形では、自軍が先に占領していれば、入口を固めて、敵を迎え撃てば良い。
もし、敵軍が先に占領していて、入口を固めていたら、攻撃してはならない。
しかし、入口を固めていなければ、攻撃して良い。
険という地形では、自軍が先に占領したら、高台の日当たりの良い所に陣取り、敵を迎え撃てば良い。
もし敵軍が先に占拠していたら、退却して、絶対攻撃してはいけない。
遠という地形では、勢力が拮抗していたら、進軍すべきではない。
攻撃を仕掛ければ不利となる。
この六つの地形の対処法は、戦争の基本である。
将軍たる者の判断が重要である。
熟慮が必要である。
通:自軍も敵軍も進行すれば有利となる地形。
挂:進軍はし易いが退却し難い地形。
支:自軍、敵軍とも進軍したら不利となる地形。
隘:入口が狭くなった地形。
険:険しい地形。
遠:自国から遠い地形。
ここでは、地形毎に進軍すべきか、退却すべきかの判断基準が示されています。
ビジネスにおいては、単なる地形ではなく、ビジネス環境として読み替えれば良いと思います。
通とは、自社が進出しても、競合他社が進出しても有利となる市場。
挂とは、進出はしやすが、撤退がしにくい市場。
支とは、自社も競合他社も進出し難い市場。
隘とは、先に進出すれば有利となる市場。
険とは、進出の困難な市場。
遠とは、競合他社が得意とする分野の市場。
上記のように考えれば、新規事業の進出の際の判断基準として有効活用できると思います。
このような汎用性が孫子の優れた一面と言えると思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿