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2012年5月30日水曜日

孫子 九地の変

軍隊の将たる者、冷静さをもって対処し、厳正さをもって治める。

兵士たちの耳目を奪い、情報を与える必要はない。

作戦を変えたり、戦略を変えたりしても知らせる必要はない。

場所を変えたり、進路を変えたりしても、考えさせる余地を与えてはならない。

軍隊を率いて、これを指揮する場合、高い所にぼらせて、梯子を外すように仕向けなければならない。

軍隊を率いて、敵国の置く深くに侵攻したら、機会に乗じて、船を焼き、釜を割って、羊の群れを追うように動かせなければならない。

命令により、往ったり来たりして、どこに向かっているのかはわからない。

全軍を集めて、険しい戦地に投入するのは、将軍の仕事である。

九地の変化、進退の利、人情の理を配慮しなければならない。

ここでは、軍隊は絶体絶命の死地に投入されれば死ぬ気で戦い、実力以上のものを発揮することが書かれています。

たしかに、人は窮地に立たされると、思いもよらない力を発揮します。

このため、軍隊を絶体絶命の状態にしなさいと言っています。

しかし、これは、誤って理解すると、大きな失敗をする危険性を孕んでいます。

精神的に絶対説明に追い詰めて、火事場の糞力を引き出せればよいのですが、失敗すると兵士が潰れてしまいます。

この兼ね合いが難しいので、ここで書かれていることは、最後の手段だと思います。

精神的に強い人ばかりではないので、現代社会でこの考えはリスクが高すぎるように思います。

いつの時代もそうですが、予想もできないような大きな成果は、予想もできない大失敗と背中合わせだということを認識しておく必要があると思います。

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