全軍において、間者より親しきものはなく、報償は間者より厚きものはなく、秘密事は間者より秘密を知っているものはない。
知能、人格とも優れたものでなければ、間者を使いこなすことは不可能である。
神祇に厚くなければ、間者を使いこなすことは不可能である。
微妙な気配りが出来なければ、スパイ行動の成果を入手することは不可能である。
極めて繊細な問題である。
間者を用いないことはない。
万が一、間者が秘密を漏らすようなことがあれば、漏らしたものは当然、秘密を入手したものも殺すしかない。
孫子においては、間者の重要性が非常に高いことがうかがえます。
間者は、最も信頼できる者でなければなりません。
間者に対しては、最も厚遇しなければなりません。
間者にはきめ細やかな気配りが必要です。
そうしなければ、間者は存分に働いてくれないからです。
間者が裏切り、相手方の間者となれば、その損害は計り知れないものになります。
間者の心をしっかりと掴む必要があります。
また、万が一、間者が秘密を漏らすようなことがあれば、その秘密が拡散しないように、間者のみならず、秘密を知った人間まで殺すように書かれています。
現代ビジネスに置き換えて考えると、新製品開発の事前調査を行うものは、信頼がおけて、情報収集能力が長け、決して会社を裏切らない人間に任せる必要があるということです。
ここで、情報収集する人間が誤った情報を収集すれば、巨額の投資をした新製品が完成した際に、売れないという、目も当てられない結果を生み出すことになります。
情報収集する人間は有能で、信頼のおけるものに任せる必要があるということです。
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