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2011年8月1日月曜日

薩摩(島津日新公)いろは歌 まとめ

           

薩摩(島津日新公)いろは歌をまとめてみました。各歌をクリックすると、解説と私の考えを表示します。現代において大いに参考になる薩摩(島津日新公)いろは歌です。ご参考になれば幸いです。

いにしへの道を聞きても唱へてもわが行ひにせずばかひなし

楼の上もはにふの小屋も住む人の心にこそはたかきいやしき

はかなくも明日の命をたのむかな今日も今日もと学びをばせで

似たるこそ友としよけれ交らばわれにます人おとなしき人

ほとけ神他にましまさず人よりも心に恥ぢよ天地よく知る

下手ぞとて我とゆるすな稽古だにつもればちりも山とことの葉

科ありて人をきるとも軽くすないかす刀もただ一つなり

知恵能は身につきぬれど荷にならず人はおもんじはずるものなり

理も法も立たぬ世ぞとてひきやすき心の駒の行くにまかすな

ぬす人はよそより入ると思うかや耳目の門に戸ざしよくせよ

流通すと貴人や君が物語りはじめて聞ける顔もちぞよき

小車のわが悪業にひかれてやつとむる道をうしと見るらむ

私を捨てて君にし向はねばうらみも起り述懐もあり

学文はあしたの潮のひるまにもなみのよるこそなほしずかなれ

善きあしき人の上にて身を磨け友はかがみとなるものぞかし

種となる心の水にまかせずば道より外に名も流れまじ

礼するは人にするかは人をまたさぐるは人をさぐるものかは

そしるにもふたつあるべし大方は主人のものになるものと知れ

つらしとて恨みかへすな我れ人に報ひ報ひてはてしなき世ぞ

ねがわずば隔てもあらじいつわりの世にまことある伊勢の神垣

名を今に残しおきける人も人心も心何かおとらん

楽も苦も時すぎぬれば跡もなし世に残る名をただ思ふべし

昔より道ならずしておごる身の天のせめにしあはざるはなし

憂かりける今の身こそはさきの世のおもえばいまぞ後の世ならむ

亥にふして寅には起くとゆふ露の身をいたづらにあらせじがため

のがるまじ所をかねて思いきれ時に到りて涼しかるべし

思ほへず違ふものなり身の上の欲をはなれて義を守れひと

苦しくとすぐ道を行け九曲折の末は鞍馬のさかさまの世ぞ

やわらぐと怒るをいわば弓と筆鳥と二つのつばさとを知れ

万能も一心とあり事ふるに身ばしたのむな思案堪忍

賢不肖もちひ捨つるといふ人も必ずならば殊勝なるべし

無勢とて敵をあなどることなかれ多勢を見ても恐るべからず

心こそ軍する身の命なれそろゆれば生き揃はねば死す

回向には人と我とをへだつなよ看経はよししてもせずとも

敵となる人こそはわが師匠ぞとおもひかえして身をもたしなめ

あきらけき目も呉竹のこの世より迷はばいかに後のやみぢは

酒も水流れも酒となるぞかしただ情あれ君がことの葉

聞くことも又見ることも心がら皆まよひなりみな悟りなり

弓を得て失ふことも大将の心一つの手をばはなれず

めぐりては我が身にこそは事へけれ先祖のまつり忠孝の道

道にただ身をば捨てんと思ひとれかならず天のたすけあるべし

舌だにも歯のこはきをば知るものを人は心のなからましやは

酔える世をさましもやらでさかづきに無明の酒をかさぬるは憂し

ひとり身あはれと思へ物毎に民にはゆるすこころあるべし

もろもろの国や所の政道は人に先づよく教へ習はせ

善に移り過れるをば改めよ義不義は生まれつかぬものなり

少しきを足れりとも知れ満ちぬれば月もほどなき十六夜のそら

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